ヴィーガニズム

ヴィーガニズム(英: veganism)は、動物製品の使用を行わない生活様式である。エシカル・ヴィーガニズムが動物の商品化を否定し、あらゆる目的での動物製品の使用を拒否するのに対し、ダイエタリー・ヴィーガニズム (純菜食主義) は食事から動物製品を排除するだけにとどまる。また、エンバイロメンタル・ヴィーガニズムと呼ばれる別の一派は、畜産業が環境を害しており、持続可能でないということを理由として動物製品の使用を拒否している。

    
食で摂りたい、栄養素。

ヴィーガン

「酪農製品を食べないベジタリアン」を表すために、1944年にイギリスにおいてヴィーガン協会の共同設立者であるドナルド・ワトソンによって作られた言葉であるが、ヴィーガン協会は卵の摂取にも反対していた。1951年、ヴィーガン協会は「ヴィーガニズム」の定義を拡大し、「人間は動物を搾取することなく生きるべきだという主義」の意味だとした。1961年、H・ジェイ・ディンシャー はアメリカ・ヴィーガン協会を設立し、ヴィーガニズムをジャイナ教のアヒンサー(生物に対する非暴力)の概念に結びつけた。
ヴィーガニズムの運動は、規模は小さいが、年々拡大を遂げている。ヴィーガンのレストランも増加しており、アイアンマン・トライアスロンやウルトラマラソン等の耐久競技のトップ選手の中にも、ローヴィーガニズムやヴィーガニズムを実践する者がいる。アメリカ栄養士協会とカナダ栄養士協会は、栄養のバランスが充分考慮されたヴィーガン食は、ライフサイクルのどの段階においても適切な食事だとしている。バランスを充分考慮したヴィーガン食は、心臓病等、数多くの変性疾患に対し予防効果があることが知られている。ヴィーガン食は、食物繊維、マグネシウム、葉酸、ビタミンC、ビタミンE、鉄分、フィトケミカルの含有量が高く、カロリー、飽和脂肪、コレステロール、長鎖オメガ3脂肪酸、ビタミンD、カルシウム、亜鉛、ビタミンB12が低い傾向がある。植物性の食物にはビタミンB12がほとんど含まれていないため、ヴィーガンはビタミンB12が強化された食品を摂取するか、日々サプリメントを取る必要があるというのが、研究者たちの一致した意見である。
このような生活様式を行う大きな理由としては、動物の権利を考えたから、というものや、倫理的な責任からきている、というものがある。また、純菜食主義者(ヴィーガン)の中には、工場式農場(英語版)や動物実験、畜産に必要な土地や資源の使いすぎについて懸念している人々もいる。
さまざまな研究によると、アメリカ合衆国の人口のうち1.4%、イギリスの人口のうち1.0 - 1.6%がヴィーガンであるとされている。
ヴィーガンは、心不全、大腸癌、高コレステロール血症、高血圧、前立腺癌、脳梗塞になりにくいとされ 、きちんとバランスが取れていれば、健康によく必要な栄養素をとることができるとされている。

問題点

アメリカ栄養士協会は、充分考慮されたヴィーガンの食事は「妊娠期や授乳期を含む、ライフサイクルの全ての段階において適切」としているが、ヴィーガンの母親に対しては、鉄分、ビタミンD、ビタミンB12の摂取を補うことを推奨している。ヴィーガン協会は、子供の免疫力を高め、アレルギーのリスクを減少させるため、ヴィーガンの母親に母乳育児を奨めているが、授乳中の母親のビタミンB12欠乏症は、子供にも欠乏症や神経障害をもたらすとされている。必須脂肪酸のω-3脂肪酸、α-リノレン酸およびそれらの誘導体についても、これらの脂肪酸から変換されるドコサヘキサエン酸(DHA)が視神経や中枢神経系の発達に必須であるが、ほとんどのヴィーガン食では含有量が非常に低いため、妊娠・授乳中のヴィーガンの母親は摂取を補う必要があるとする研究がある。
母親がヴィーガンであると、子供の出生時体重が軽くなる傾向がある。また、ヴィーガンの母親から双子が生まれる確率は動物性食品を食べている人の5分の1であるとされるが、これを報告した論文では、ヴィーガンでない人たちが酪農製品を摂取することが、特に乳牛に成長ホルモンを与えている地域において双子妊娠の確率を増加させていると結論付けている。親に不適切なヴィーガン食を与えられた乳幼児が極度の栄養失調に陥り、脊柱奇形や骨折が発生したり、あるいは死に至った事例が何件か報道されている。責任ある医学のための医師委員会の栄養部長であり、ある乳児死亡事件の検察側鑑定証人を務めたエイミー・ラヌー博士は、ヴィーガン食について「赤ん坊にとって安全であるだけでなく、動物性食品ベースの食事より健康的である」、「本当の問題は(その子供が)どんな種類の食べ物も十分に与えられなかったことにある」と書いている。

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