果菜類

ナス

ナス(茄子、なす、奈須比)はナス科ナス属の植物。また、その果実のこと。

原産地はインドの東部が有力である。その後、ビルマを経由して中国へ渡ったと考えられている。中国では広く栽培され、日本でも1000年以上に渡り栽培されている。温帯では一年生植物であるが、熱帯では多年生植物となる。日本には奈良時代に、奈須比(なすび)として伝わった。土地によっては現在もそう呼ばれることがある。女房言葉により茄子となった。以降日本人にとってなじみのある庶民的な野菜となった。葉とヘタには棘があり、葉には毛が生えている。
世界の各地で独自の品種が育てられている。加賀茄子などの一部、例外もあるが、日本においては南方ほど長実または大長実で、北方ほど小実品種となる。本州の中間地では中間的な中長品種が栽培されてきた。これは寒い地域では栽培期間が短く大きな実を収穫する事が難しい上に、冬季の保存食として小さい実のほうが漬物に加工しやすいからである。しかし食文化の均一化やF1品種の登場により野菜炒めや焼き茄子など、さまざまな料理に利用しやすい中長品種が全国的に流通している。日本で栽培される栽培品種のほとんどは果皮が紫色又は黒紫色である。しかしヨーロッパやアメリカ等では白・黄緑色・明るい紫、さらに縞模様の品種も広く栽培される。果肉は密度が低くスポンジ状である。ヘタの部分には鋭いトゲが生えている場合がある。新鮮な物ほど鋭く、鮮度を見分ける方法の一つとなるが、触った際にトゲが刺さり怪我をすることがある。収穫の作業性向上や実に傷がつくという理由から棘の無い品種も開発されている。
品種によって様々な食べ方がある。小実品種は漬物、長実品種は焼き茄子、米茄子はソテー。栄養的にはさほど見るべきものはないが、東洋医学では体温を下げる効果があるとされている。和漢三才図絵ではヘタにしゃっくり止めの効果があるとされるが、俗信の域を出ない。また皮の色素ナスニンは抗酸化作用があるアントシアニンの一種である。
なかには、「赤ナス」のような観賞用として生け花などにも利用されているもの(熊本県などで「赤ナス」の商品名で栽培されている食用の品種とは別物)もある。赤ナスは食用のナスの台木としても用いられる(観賞用の赤ナスは味などにおいて食用には適さないとされる)。

食で摂りたい、栄養素。

トマト

トマト(学名:Solanum lycopersicum)は、南アメリカのアンデス山脈高原地帯(ペルー、エクアドル)原産のナス科ナス属の植物。また、その果実のこと。多年生植物で、果実は食用として利用される。緑黄色野菜の一種である。日本語では唐柿(とうし)、赤茄子(あかなす)、蕃茄(ばんか)、小金瓜(こがねうり)などの異称もある。

日本では冬に枯死するため一年生植物であるが、熱帯地方などでは多年生であり適切な環境の下では長年月にわたって生育し続け、延々と開花と結実を続けることができる。1本仕立てで1年間の長期栽培を行うとその生長量は8m〜10mにも達する。
通常の品種(支柱に誘引するタイプ)では発芽後、本葉8葉から9葉目に最初の花房(第一花房)が付き、その後は3葉おきに花房を付ける性質をもつ。地這栽培用の品種では2葉おきに花房をつける品種も多い。 また、各節位からは側枝が発生する。側枝では5葉目と6葉目に花房が付き、その後は3葉おきに花房を付けるが、側枝は栽培管理上、除去される事が多い。 株がストレスを受けると正常な位置に花が付かない(花飛び)現象が発生するため、株が適切に生育しているかどうかを示す指針となる。

適温は昼温20〜25度、夜温10〜20度とされる。気温が30度を超えた環境では花粉稔性の低下により着果障害や不良果が増加し、最低気温が5〜10度を下回ると障害を受ける。適湿度は65〜85%でありこれ以下では生育が劣り、これ以上では病気が発生しやすくなる。
潅水量が多すぎると果実が割れ、少ないと障害果が発生するため、高品質な果実を作るためには潅水量の細かい制御を必要とする作物である。潅水量を減らすことで高糖度な果実を生産することができるが、収量は減少する。水耕栽培では養液の浸透圧を制御する事で高糖度化を行うことができる。
トマトにはアルカロイド配糖体(トマチン)が含まれる。その含量は品種や栽培方法によって異なるが、かずさDNA研究所による測定例では、花 (1100mg/kg) 、葉 (975mg/kg) 、茎 (896mg/kg) 、未熟果実 (465mg/kg) 、熟した青い果実・グリーントマト (48mg/kg) 、完熟果実 (0.4mg/kg) という報告がされている。

キュウリ

キュウリ(胡瓜、Cucumis sativus L.)とはウリ科キュウリ属のつる性一年草、およびその果実のことである。かつては熟した実を食用とした事もあったが、甘みが薄いためにあまり好まれず、現在では未熟な実を食用とするようになった。インド北部、ヒマラヤ山麓原産。日本では平安時代から栽培される。胡瓜の「胡」という字は、シルクロードを渡って来たことを意味している。
「キュウリ」の呼称は、漢字で「木瓜」または「黄瓜」(きうり)と書いていたことに由来する。上記の通り現代では未熟な実を食べる事からあまり知られていないが、熟した実は黄色くなる。今と異なり古い時代はこれを食べていた。尚、現代では「木瓜」はボケの花を指す。

キュウリは古くから食用の野菜として栽培されている。栄養価は非常に低いが、歯ごたえのある食感とすっきりとした味わいがあり、そして水分を多く含むことから暑い地方では水分補給用として珍重されてきた。
紀元前4000年前にメソポタミアで盛んに栽培されており、インド、ギリシア、エジプトなどでも栽培された。その後、6世紀に中国、9世紀にフランス、14世紀にイングランド、16世紀にドイツと伝播していった。アメリカには15世紀末コロンブスがハイチに持ちこんだのを端緒に普及していった。キュウリを好物とした歴史上の有名人としてローマ皇帝ティベリウスがいる。
中国ではかつて、ビルマ経由で伝来した水分の少ない南伝種が普及し、瑞々しいシルクロード経由の北伝種の伝来まで、この南伝種を完熟させてから食べるのが一般的であった。のちに南伝種は漬物や酢の物に、北伝種は生食に使い分けられることになる。南伝種の伝来後、日本でも江戸時代までは主に完熟させてから食べていたため、黄瓜と呼ばれるようになった。日本では1500年ほどの栽培の歴史を持つが、完熟した後のキュウリは苦味が強くなり、徳川光圀は「毒多くして能無し。植えるべからず。食べるべからず」、貝原益軒は「これ瓜類の下品なり。味良からず、かつ小毒あり」と、はっきり不味いと書いているように、江戸時代末期まで人気がある野菜ではなかった。幕末、キュウリの産地だった砂村(現在の江東区)で、キュウリの品種改良が行われ、成長が早く、歯ごたえがよく、味も良いキュウリが出来て一気に人気となった。

ピーマン

ピーマンはナス科の一年草、およびその果実。学名はCapsicum annuum L. 'grossum' であり、トウガラシの栽培品種に分類される(' 'は栽培品種を表す)。果肉は種子以外ほとんど空洞である。
日本の店頭で食用として販売されるものは、明治初頭にアメリカから伝わったイスパニア種を品種改良した中形で緑色のものが多いが、近年はカラーピーマンも出回っている。緑色は未成熟の果実のためであり、成熟すると一般的なものは赤色のほか黄色、橙色に変わるものもある。北米では大形の成熟した様々な色のものが流通する。その他に、未成熟で白色や、黒色(濃い紫色)、紫色のものもある。加熱すると緑色に変化し、熟すると橙色、赤色に変わる。英語では「Green pepper」、「Red pepper」、「Yellow pepper」などと呼ばれる。
日本語における「ピーマン」の由来は、フランス語の「piment」あるいはスペイン語の「pimiento」とされ、いずれも狭義のトウガラシを指す。なお、ピーマンを意味するフランス語は「poivrons」である。

種以外の周りの果肉を食する。カラーピーマンの様に、成熟した果肉には甘みがある。未成熟の果肉には、独特の青臭い風味と苦味がある。特に子供はこの味を好まないことが多く、ニンジンやグリーンピースなどと共に子供が嫌いな食材の筆頭に挙げられることも多い。1970年代後半には、1960年代に子供が好きだった物を並べた「巨人・大鵬・卵焼き」をもじって、嫌いな物として「江川・ピーマン・北の湖」という言葉が生まれた(ただし「巨人・大鵬・卵焼き」ほど定着することは無かった)。味覚の敏感な幼少期は、この苦味を大人よりも強く感受する。それゆえ、成長するにつれ食べられるようになる子供は多い。青臭さは火を加えることにより軽減される。2012年3月、タキイ種苗とお茶の水女子大学との共同研究により、クェルシトリンがピーマンの苦味成分であることが解明された。
ビタミンCを多く含む。ビタミン成分は緑色のときよりも熟して赤や黄色になったときの方が増加する。また、フラボノイドが含まれており、これがビタミンCの熱による破壊を軽減していると考えられている。このため、レモンよりも遥かに多くのビタミンCの摂取が可能である。家庭で保存するときには、密閉を避けて7–8°C程度の場所に置くのがよい。それよりも低温の場所に長時間置くといわゆる低温障害を起こし、果肉の張りが失われる。
日本の一般家庭で広く普及したのは、第二次世界大戦後の1950年代以降である。

カボチャ

カボチャ(南瓜)は、ウリ科カボチャ属(学名 Cucurbita)の総称である。特にその果実をいう。原産は南北アメリカ大陸。主要生産地は中国、インド、ウクライナ、アフリカ。果実を食用とし、カロテン、ビタミン類を多く含む緑黄色野菜。

日本語における呼称は、この果菜が国外から渡来したことに関連するものが多い。
一般にはポルトガル語由来であるとされ、通説として「カンボジア」を意味する Camboja (カンボジャ)の転訛であるとされる。 方言では「ぼうぶら」「ボーボラ」などの名を用いる地方もあり、これはやはりポルトガル語で、「カボチャ」や「ウリ類」を意味する abóbora (アボボラ)に由来するとされる。 ほかに「唐茄子(とうなす)」「南京(なんきん)」などの名もある。 漢字表記「南瓜」は中国語: 南瓜 (ナングァ; nánguā)によるもの。
英名は pumpkin (パンプキン)であると理解されている場合が少なくないが、実際には、少なくとも北米では、果皮がオレンジ色の種類のみが pumpkin であり、その他のカボチャ類は全て squash (スクウォッシュ)と総称される。 したがって日本のカボチャは、kabocha squash (カボチャ・スクウォッシュ)などと呼ばれている。
属名Cucurbita はラテン語で、一般的には「ウリ」と訳される語を転用したもの。

完全に熟してから食する。ビタミンAを豊富に含む。皮は硬いが長く煮ることでやわらかくして食べることができる。サツマイモと同様にデンプンを糖に変える酵素を含んでおり、貯蔵によってあるいは低温でゆっくり加熱することによって甘味が増す。従って、収穫直後よりも収穫後、約1か月頃が糖化のピークで食べ頃となる。日本には冬至にカボチャを食べる風習があるが、前述のように糖化に時間がかかり晩秋以降が食べ頃になるのと、それによって年末まで日持ちする数少ない野菜であるのが一因である。
甘みの強い品種は菓子作りにも向いており、パンプキンパイや、南アメリカのフランやタイの「サンカヤー・ファクトン」などのプリンなどに加工される。
フランスではスープの材料として使われることが一般だが、南部ではパイやパンに料理される。アルゼンチンでは中をくりぬいたカボチャにシチューを入れる。
種子(パンプキンシード)も食品として市販されており、ナッツとして扱われる。パンや洋菓子のトッピングとして用いられることが多い。メキシコにはカボチャの種子をすりつぶしたソースで肉や野菜を煮込んだ、ピピアン (pipián) という伝統料理がある。また、種子から食用油(パンプキンシードオイル)が取れる。
米国ではシナモンやクローブなど、パンプキンパイに用いる香辛料とカボチャを使って醸造したビールが生産されている。
日本では北海道での生産量が多い。アイヌの人々もカボチャを栽培しており、北海道での栽培の歴史は古い。

    
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